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サンバー

サンバー
©2015 JUKIAN MASON : clipped from the original
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サンバーの基本情報

英名:Sambar
学名:Rusa unicolor
分類:鯨偶蹄目 シカ科 ルサジカ属
生息地:バングラデシュ、ブータン、ブルネイ、カンボジア、中国、インド、インドネシア、ラオス、マレーシア、ミャンマー、ネパール、スリランカ、台湾、タイ、ベトナム
保全状況:VU〈絶滅危惧Ⅱ類〉

サンバー
Photo credit: Kandukuru Nagarjun

水鹿

西はインドから、ヒマラヤ山脈の南に沿って東は台湾まで、また、セイロン島やボルネオ島、スマトラ島などの島にも生息するシカのなかま、サンバー。

サンバーはシカの仲間の中でも大きく、彼らが森林を歩く姿は圧巻です。

スバルの名車「サンバー」は、サンバーのように悪路でも力強く走る車ということで命名されています。


サンバーは森林に生息する動物ですが、水に依存する生き物で、水があるところからそう遠くに離れることはありません。

泳ぐことが非常に得意で、よく水に浸かっているところが観察されます。

また、彼らは水生植物をも餌としており、彼らが水といかに深いかかわりがあるかがわかります。

こうした特性から、日本ではスイロク(水鹿)と呼ばれることもあります。

一方で、サンバーは角や肉を狙ってよく狩られますが、水場に集まるという彼らの習性はこの時裏目に出ます。

ハンターにとっては、水場付近で待ち伏せていればいいからです。

サンバーは全体として個体数が減少していますが、狩猟は中でもその大きな原因となっています。


ところで、繁殖の季節になるとサンバーのオスはなわばりを築き始めます。

サンバーのオスはワピチのオスなどのようにはうるさくありません。

場合によってはなわばりに侵入してくる他のオスと、角を使って戦いますが、基本的ににおいでなわばりをマーキングします。

例えば泥や水場に体を沈め、体の節々にある臭腺からでるにおいを付けます。

また、自分のにおいを木につけることもします。彼らはシカでは珍しく二足で立つことができるので、高い位置にもにおいを付けることができます。

臭腺からのにおいだけでなく尿もマーキングに利用します。

自分の尿がかかった土を角で掘り尿のにおいをまとわせたり、尿を自分自身にかけたりして自分の存在をアピールするのです。

成熟した強いオスは、こうして作り上げた自らのなわばりにやってくる複数のメスと交尾します。

サンバーの繁殖は、土地という資源を守りなわばりを作るタイプです。

その土地にはきっといい水場があることでしょう。

ここでも彼らが水に依存した水鹿であることが重要になってきます。

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Rusa unicolor, Sambar deer In thai: กวางป่า
サンバー
Photo credit: Bernard DUPONT

サンバーの生態

生息地

サンバーは標高3,900mまでの、温帯から亜熱帯まで、針葉樹林や広葉樹林、落葉樹林、湿潤林、乾燥林など様々な森林に生息します。

もともとの生息地ではありませんが、ニュージーランド、オーストラリア、アメリカ、南アフリカに導入されており、現在も生息しています。

形態

体長は1.6~2.7m、肩高は1~1.6m、体重は100~350㎏、尾長は20~35㎝です。

オスの方がメスよりも大きく、最大550㎏近くになるものもいます。

枝角(アントラー)はオスにのみ生え、最大110㎝、先端は3つです。

サンバー
Photo credit: Kandukuru Nagarjun

食性

草や葉っぱ、枝、実生、果実などを食べます。

ミネラル豊富なソルトリックも利用し、特にアントラーが成長段階のオスはよく利用するようです。

捕食者にはトラヒョウドールが知られており、地域によっては彼らの最も主要な餌種の1種となっています。

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行動・社会

サンバーは24時間活動しますが、薄明薄暮時、夜間に活発になります

社会性は弱く、オスが単独で生活する傾向にある一方、メスは母子中心の10頭程度の群れで暮らします。

繁殖

年中繁殖できるようですが、ピークが存在し、その時期は地域により異なります。

メスの妊娠期間は約8ヵ月で、5~8㎏の赤ちゃんを通常1頭産みます。

亜種によっては模様がありますが、すぐに消えます。

赤ちゃんは生後5~14日で固形物を食べ始め、生後1ヵ月ごろには反芻を覚えます。

性成熟は2歳頃で、寿命については飼育下で25年以上生きる個体もいます。

サンバー
Photo credit: Paul Asman and Jill Lenoble

人間とサンバー

絶滅リスク・保全

サンバーは主に狩猟によりかつての半分以下になっている地域もあり、現在も減少傾向にあります。

IUCNのレッドリストでは絶滅危惧Ⅱ類に指定されています。

ただ、台湾やインドのよく管理された保護区では個体数は安定しています。

ちなみに台湾では、彼らを鹿茸(ろくじょう、袋角を乾燥させたもの)目的で養殖する養鹿(ようろく)が存在します。

世界における養鹿業の展開 | 日本鹿研究 10 号 2019.8

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動物園

日本でサンバーに会うことはできません。

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