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ウォーターバック

ウォーターバック
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目次

ウォーターバックの基本情報

英名:Waterbuck
学名:Kobus ellipsiprymnus
分類:鯨偶蹄目 ウシ科 ウォーターバック属
生息地: アンゴラ、ベナン、ボツワナ、ブルキナファソ、ブルンジ、カメルーン、中央アフリカ共和国、チャド、コンゴ、コンゴ民主共和国、コートジボワール、エリトリア、エスワティニ、エチオピア、ガボン、ガーナ、ギニア、ギニアビサウ、ケニア、マラウィ、マリ、モザンビーク、ナミビア、ニジェール、ナイジェリア、ルワンダ、セネガル、シエラレオネ、ソマリア、南アフリカ、南スーダン、スーダン、タンザニア、トーゴ、ウガンダ、ザンビア、ジンバブエ
保全状況:LC〈軽度懸念〉

ウォーターバック
Photo credit: Carine06

水のアンテロープ

アフリカに生息するウシ科動物であるウォーターバックは、デファッサウォーターバック(K. e. defassa)とコモンウォーターバック(K. e. ellipsiprymnus)の2亜種が知られています。

特にコモンウォーターバックはお尻にある輪っかの模様が特徴的で、すぐに他と見分けることができます。


さて、ウォーターバックという名前に注目してみましょう。

ウォーターが水を意味することは容易にわかりますが、バックは背中を意味する“back”ではありません。

この場合のバックは英語表記では“buck”。

シカやイノシシのオスを意味する言葉です。

つまり、ウォーターバックという名前は、水のアンテロープ(のオス)を意味します。


哺乳類の中には、生活の上でほとんど水を飲まずに生きていけるものがいます。

特に砂漠に生息するフェネックスナネコなど、周囲に水が全くない環境に生息する動物たちは、生きる上で必要な水分のほとんどをエサから得ています。

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一方のウォーターバックは、その名前の通り水に依存した生き物です。

生活の上で水は欠かせません。

彼らは、洪水で一時的に水が現れるような場所ではなく、年中水が存在する環境に生息します。

また、彼らは川や湖などから数㎞と離れずに毎日を過ごします。

こうして年中存在する水は飲み水としての役割だけでなく、彼らが食べる植物を養う役割も持ちます。


さらに、ウォーターバックにとって、水は避難場所にもなります。

彼らにはライオンハイエナといった捕食者が存在します。

ウォーターバックは、水を苦手とする捕食者から逃げるために川や湖に飛び込んでいくのです。

しかし、ここで安心してはいけません。

実は水場にも危険が存在します。

例えばワニはそうして陸から逃げてくる獲物を待ち望んでいます。

また、もしそこにカバがいたら、きっと攻撃されることでしょう。

カバはなわばり性が非常に強い動物なので、なわばりを侵すものは誰であろうと排除の対象になるのです。

はて、ウォーターバックにとって安全な場所はないのでしょうか。

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ウォーターバック
Photo credit: John Mason

ウォーターバックの生態

生息地

標高3,000mまでのサバンナウッドランドや、森林とサバンナがモザイク状に入り乱れるような環境に生息します。

形態

体長は180~235㎝、肩高は100~135㎝、体重は150~250㎏、尾長は22~45㎝でオスの方がメスよりも4分の1ほど大きいです。

角はオスのみに生え、55~100㎝になります。

ウォーターバック
Photo credit: Bob Adams

食性

主にグレイザーで、背丈が中程度の様々な草を食べます。葉を食べることはあまりありません。

捕食者にはライオンブチハイエナヒョウリカオンなどが知られています。

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行動・社会

メスは通常5~10頭程度、最大30頭の群れを作ります。

群れに序列はなく、つながりも緩いです。

単独で見られるメスもいます。

群れを率いるのは1頭のオス。

他の若いオスたちは彼らだけの5~10頭の群れを作ります。

若いオスの群れには力や年齢に従った序列があります。

彼らは6歳ごろ自らのハーレムを持とうと、ハーレムを持つオスに挑みます。

ハーレムを持つオスは全体の5~10%ほどです。

繁殖

出産の多くは雨季に見られます。メスは8~9ヵ月の妊娠期間ののち、通常1頭の赤ちゃんを産みます。

メスは出産の数日前から群れを離れ、出産後も赤ちゃんを2~4週隠し、授乳の際のみにそこを訪れます(置き去り型)

子供は生後6~7ヵ月で離乳し、オスはその後群れを離れていきます。

生後8~9ヵ月頃、オスには角が生え始めます。

性成熟にはオスが6歳、メスが3歳ごろで達します。

寿命は飼育下で18年ほどです。

ウォーターバック
Photo credit: Jon Mountjoy

人間とウォーターバック

絶滅リスク・保全

ウォーターバックは全体で20万程度いると推測されており、その半数が保護区で生活しています。

現在のところ絶滅の心配はなく、IUCNのレッドリストでは軽度懸念の評価です。

一方、彼らはかつての生息地の一部からすでに姿を消しています。

肉やスポーツを目的とした狩猟が主な原因で、彼らは現在も減少傾向にあるとされています。

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動物園

ウォーターバックを日本で見ることはできません。

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Photo credit: flowcomm
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