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ウンナンシシバナザル

2026 5/16
オナガザル科
2026年5月16日
森の中の枝に座るウンナンシシバナザル
©2019 Rod Waddington: clipped from the original
目次

ウンナンシシバナザルの基本情報

英名:Yunnan Snub-nosed Monkey (Black Snub-nosed Monkey)
学名:Rhinopithecus bieti
分類:霊長目 オナガザル科 シシバナザル属
生息地:中国
保全状況:EN〈絶滅危惧ⅠB類〉

ウンナンシシバナザル 生息地マップ 在来個体群
高木で見上げるウンナンシシバナザルの正面
Photo credit: Rod Waddington

孤高の猿

ウンナンシシバナザルは、中国雲南省の高山地域に生息します。

標高はなんと3,000~4,300mにもなり、冬は-40℃という極寒の中で生活します。

このような苛酷な環境に暮らすサルは、人間以外には彼らぐらいです。

このように、このサルは人間によるアクセスが困難な場所に住んでいるため、その存在は長らく忘れられていました。

ウンナンシシバナザルは、1890年代にはじめて発見されました。

しかしそれ以後は忘れ去られ、絶滅したとすら言われていました。

ようやく1962年に1頭が確認されましたが、やはりその後も人の目からは離れたところで生活し続け、1990年代まではその生態はほとんど不明でした。

しかし、研究者によって次第に彼らの実態が明るみになり、今となっては、彼らの生活や習性など様々なことを知ることができます。

人間ほど好奇心の強い霊長類はいません。

他の霊長類を知りたいと思うのは人間くらいでしょう。

その一方、人間ほど他の生物に迷惑をかけている霊長類もいません。

ウンナンシシバナザルも迷惑をこうむっている生物の一種です。

人間による森林破壊や狩猟により、今ではわずか2000頭ほどしか生存していないと言われています。

人間の生活は、たとえ隣に住んでいる人に迷惑をかけていなくても、世界に目を向ければ想像以上に自然に負荷をかけています。

森の高木の枝に座るウンナンシシバナザル3頭
Photo credit: Rod Waddington

ウンナンシシバナザルの生態

生息地

ウンナンシシバナザルは、中国南西部の高山地域にのみ生息します。

食性

昼行性で、寒い夜は雪の少ない谷間の木にみんなで集まって眠ります。

主に葉や地衣類を食べ、他には果実や樹皮なども食べます。

えさの少ない冬になると地衣類への依存が極めて高くなります。

形態

体長は50~65㎝、体重はオスが約14㎏、メスが約8㎏で性的二型が顕著です。

ふさふさしたしっぽは60~90㎝で、中国人からは「牛の尾をもつサル」と呼ばれることもあるようです。

また、近縁種にキンシコウがいますが、それの黒バージョンということで「クロキンシコウ」と呼ばれることもあります。

キンシコウは漢字で書くと「金絲猴」となり、「金」はその毛色を表していると思われます。

なので「黒金絲猴」という名前は漢字の意味を無視した名づけ方ですが、まあ良しとしましょう。

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行動

ウンナンシシバナザルは、1頭のオスと複数のメスから成る群れ(ワンメイル・ユニット)を単位として、それが集まった大きな集団を作ります。

大きな群れの数は200頭を超えることもあるようです。

このような重層的な社会を持つサルには、近縁種のキンシコウのほか、テングザルやマントヒヒなどがいます。

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繁殖

繁殖の季節性に関してはあまりよく分かっていません。

メスの妊娠期間は約200日と長く、通常1匹の赤ちゃんが生まれます。

赤ちゃんは主に母親によって育てられ、メスは約4歳、オスは約7歳で性成熟に達します。

出産間隔や寿命については未だによく分かっていません。

人間とウンナンシシバナザル

絶滅リスク・保全

ウンナンシシバナザルは、先ほど述べたように人間による森林破壊の影響を大きく受けています。

それと共に、シカ用の罠にかかってしまうことも個体数減少の理由だと言われています。

2008年時点での大人の個体数は1000頭以下と推定されており、レッドリストでは絶滅危惧ⅠB類に指定されています。

 Yunnan Snub-nosed Monkey (Black Snub-nosed Monkey) | The IUCN Red List of Threatened Species

動物園

そんなウンナンシシバナザルですが、日本では会うことができません。

ただ、この記事でもたびたび出てきたキンシコウには、熊本市動植物園でのみ会うことができるので、熊本県に行くことがあれば是非立ち寄ってみてください。

名前の上では黒が付くか付かないかだけの違いなので、キンシコウを見ればクロキンシコウのイメージが湧くかもしれません。

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