ガケシマリスの基本情報
英名:Cliff Chipmunk
学名:Neotamias dorsalis
分類:齧歯目 リス型亜目 リス科 アメリカシマリス属
生息地:メキシコ、アメリカ合衆国
保全状況:LC〈軽度懸念〉

参考文献
崖の上のシマリス
シマリスとは背中の縞模様が特徴的な、地上、地中で生活する地上性リスのことです。
地上性リスは開けた環境に生息する種が多く、その体色はプレーリードッグなどのように淡いモノトーンであることが多いですが、シマリスはそうした地上性リスとは体色の面で一線を画しています。
シマリスの他には、キンイロジリスなども縞模様がありますが、彼らと比べるとシマリスはもっと小さいリスです。
小さくて縞模様がある地上性リス、これがシマリスです。


シマリスは、世界中に25種程度が知られています。
世界中と言っても彼らの本拠地は北米です。
北米以外には、亜種のエゾシマリスが北海道に生息する、シベリアシマリスがユーラシアに生息するのみとなっています。
シマリスだけでなく、地上性リスはその半数以上が北米に生息します。
ちなみに、このシベリアシマリスとトウブシマリスは、他のシマリスとは系統的に異なることがわかっており、それぞれ別の属に分類されています。


そんなシマリスの一種、ガケシマリスはその名の通り崖があるような場所で生活します。
シマリスには地中の穴を巣として生活する者が多いですが、ガケシマリスは地中に巣は作るものの、多くは岩や崖の隙間を巣とします。
ガケシマリスはクビワシマリスやミミナガシマリス、チビシマリスなどと同所的に見られますが、彼らとは縞模様で区別できます。
ガケシマリスの縞模様は他と比べると非常に不明瞭なのです。
また、ガケシマリスは繁殖期間が長いことでも他と区別できます。
他のシマリスの繁殖期間が1ヵ月程度しかない一方、ガケシマリスの繁殖は3月ごろから長いと7月、8月まで見られます。
オスに至っては早くも1月からすでに睾丸を肥大させ、繁殖できる準備を整えています。

ただ、ガケシマリスもやはりシマリスの一種。
違いはあれど、他のシマリスに見られる習性も見せます。
例えば、彼らの属名”tamias”がラテン語、ギリシャ語で「(宝や財産などの)管理者」を意味することから想像できるように、シマリスは餌を隠したり保管したりすることが知られていますが、ガケシマリスでも餌を巣の周辺に隠す行動が見られます。
ガケシマリスと言う名前は、彼らが他と違うところと一緒なところを説明するいい名前ではないでしょうか。

ガケシマリスの生態
生息地
標高1,500~3,700mの松林やオーク林、低木林などの岩場や崖が近い環境で暮らします。
形態
体長は12~13㎝、体重は50~90g、尾長は10㎝程度で、メスの方が大きくなります。
縞模様は他と比べて不明瞭ですが、夏のほうがよりはっきりとします。
頬袋を持っており、メスには8つの乳頭があります。

食性
種子を主食としますが、このほか広葉草本やイネ科の草、サボテン、昆虫なども食べます。
捕食者にはオナガオコジョなどのイタチ類やコヨーテやアメリカアナグマ、猛禽類、ヘビ類などが知られています。


行動・社会
昼行性で薄明薄暮時に最も活発になります。
メスは社会性を持つようで、採餌の際には複数で見られることもあります。
よく鳴き、主に音声でコミュニケーションを取っているようです。
巣は岩などの隙間や地中に作られ、巣の周りでは防衛行動を見せます。
季節によって巣の場所を変えます。
繁殖
多くは4月から6月に見られます。
一般的にメスは年に1度だけ出産します。
妊娠期間は約1ヵ月で、一度に4~6匹の赤ちゃんが生まれます。
赤ちゃんは生後1ヵ月で巣の外に出始め、その頃離乳します。

人間とガケシマリス
絶滅リスク・保全
分布域が広く、個体数も安定しているとされ、彼らの生存を脅かす大きな脅威もないため絶滅はあまり心配されていません。
IUCNのレッドリストでは軽度懸念の評価です。
Neotamias dorsalis | The IUCN Red List of Threatened Species
動物園
ガケシマリスを日本で見ることはできません。

