クリイロリーフモンキーの基本情報
英名;Maroon Langur
学名:Presbytis rubicunda
分類:オナガザル科 リーフモンキー属
生息地:インドネシア, マレーシア
保全状況:LC〈軽度懸念〉
赤ちゃんはシロイロ
クリイロリーフモンキーは、見てのとおり栗のような色をしていることからこの名がつけられました。
英名についている“maroon”も、日本語で栗色という意味になります。
そういえば、世界的に有名なバンド、Maroon5にも同じ単語が使われています。
ただ、バンド名の由来は秘密だそうで、真相は分かっていません。
話がそれました。
さて、このクリイロリーフモンキーですが、赤ちゃんの時は実は栗色ではありません。
このサルも属するコロブス亜科のサルは、赤ちゃんの姿が大人と全然違うことが一つ特徴として挙げられます。
例えばシルバールトンやダスキールトンはオトナが黒である一方、赤ちゃんはオレンジ色をしています。
また、アビシニアコロブスのオトナは黒と白ですが、赤ちゃんはまっ白です。
クリイロリーフモンキーも同様で、赤ちゃんは生まれたとき白の毛をまとっており、これから栗色になっていくことは想像できないルックスです。
下の動画で赤ちゃんが少し見える場面があるのでよく見てみてください。
人間にも、赤ちゃんの時金髪だったのに、次第に黒髪になっていく人とかいますよね。
不思議です。
クリイロリーフモンキーの生態
生息地
クリイロリーフモンキーは、ボルネオ島とカリマタ島の熱帯雨林などに生息します。
地上に降りてくることはほとんどなく、カルシウムやマグネシウムを多く含む土を食べる時くらいです。
食性
若葉や種子をよく食べ、そのほかにも果実や花を食べます。
彼らの棲むボルネオ島には果実欠乏期があります。
この時期を乗り越えるため、彼らの遊動域は広く、様々な食物を食べます。
ボルネオ島の食糧事情についてはボルネオオランウータンをご覧ください。
赤ちゃんの時の姿以外に、コロブス亜科のサルのもう一つの特徴として、大きなくびれた胃が挙げられます。
この胃にバクテリアを共生させることにより、彼らは繊維の多い葉っぱを消化できます。
形態
体長はおよそ40~58㎝、体重は6㎏前後、しっぽは66~73㎝にもなります。
行動
クリイロリーフモンキーは、2~18から成る単雄複雌の群れを作ります。
オスは成熟すると、群れから出ていき、一匹で他の群れを探したり、オスだけの群れを作ったりします。
また、クリイロリーフモンキーは、オランウータンやテングザルなど他の種類のサルと行動域が被ることもあるようです。
コミュニケーションには音声やグルーミングなどが用いられ、特にオスの鳴き声は大きく100m先にも届くようです。
人間とクリイロリーフモンキー
絶滅リスク・保全
クリイロリーフモンキーは、パーム油のプランテーションなどによる生息地の破壊、肉目的の狩猟の影響を受け、個体数を減少させていますが、絶滅の危機に関しては軽度懸念(LC)にとどまります。
とはいえ、油断は禁物でしょう。
動物園
そんなクリイロリーフモンキー、残念ながら日本で会うことはできません。
会いたい方は、是非ボルネオ島に行ってみてください。
このサル以外にも、たくさんのサルに会うことができると思います。
そして運が良ければ白い赤ちゃんを見ることができるかもしれません。