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ピグミーウサギ

ピグミーウサギ
H.Ulmschneider/BLM and R.Dixon/Idaho Dept. of Fish & Game / Bureau of Land Management@2024: Clipped from the original
目次

ピグミーウサギの基本情報

英名:Pygmy Rabbit
学名:Brachylagus idahoensis
分類:兎形目 ウサギ科 ピグミーウサギ属
生息地:アメリカ合衆国
保全状況:LC〈軽度懸念〉

ピグミーウサギ
Photo credit: Phil Mitchell

参考文献

北米の穴掘りウサギ

アメリカ合衆国の北西部、ロッキー山脈とシエラネバダ山脈の間にある、「大いなる盆地」、グレートベースン

ヤマヨモギが繁茂する、その広大な土地に生息するのが、北米のウサギ科では最小となるピグミーウサギです。


ウサギ科は、生まれてくる赤ちゃんが裸で目が閉じており、未熟な状態で生まれてくるアナウサギ(英語でrabbit)と、毛におおわれ、目も明いた状態で生まれてくるノウサギ(hare)に大きく分けることができますが、ピグミーウサギはこのうちアナウサギに分類されます。


アナウサギとは言いますが、すべてのアナウサギが穴を掘るわけではありません。

北米にはトウブワタオウサギニューイングランドワタオウサギなど、アナウサギが何種もいますが、そんな中で穴を掘ることができるのはピグミーウサギだけです

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ピグミーウサギは出入り口がいくつもある穴を自ら掘り、そこで暮らします。

ただ、すべての巣を自分で掘るわけではなく、キバラマーモットなど他の動物が掘って捨てた巣穴を利用することもあるようです。

メスはこれとは別に出産用の出入り口が1つの穴を作ります。

これは出産の数日前に作られ、出産だけでなく子供の家としての役割も果たします。

ウサギは母子関係が非常に希薄で、日に1~2回授乳する際以外は離れて暮らします。

ピグミーウサギの母親も、この出産用の巣の近くで子供たちに授乳をした後は、子供たちを巣に戻して出入り口を土で塞ぎ、巣を離れます。


ピグミーウサギはこの地下の穴以外に、道のネットワークも築きます。

巣やエサとなる植物を行き来する際には、同じ道が使われ、これは特に雪が積もった際に明瞭に現れます。

下の動画では、捕食者となるオナガオコジョから逃げるピグミーウサギの姿を見ることができますが、道のネットワークに沿って逃げていることがわかります。

ピグミーウサギの生態

生息地

標高2,560mまでの、ヤマヨモギが繁茂する地域に生息します

積雪よりも高く生えるヤマヨモギは、ピグミーウサギにとってエサとなるだけでなく隠れ家にもなっています。

ピグミーウサギ
Photo credit: USFWS Mountain-Prairie

形態

体長は23.5~29.5㎝、体重は246~462gで北米のウサギ科では最小となります

体色は深い灰色から白に近い色まで様々です。メスは最大で10%、オスよりも重くなります。

ピグミーウサギ
Photo credit: USFWS – Pacific Region

食性

ヤマヨモギを主食としており、特に冬には99%近くをヤマヨモギが占めます

夏には他の植物も食べます。

捕食者にはコヨーテボブキャットアメリカアナグマなどのイタチ類、アカギツネ、猛禽類などがいます。

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行動・社会

主に単独性のピグミーウサギは、柔らかく深い土に穴を掘ってそこで生活します。

繁殖

繁殖についてはよくわかっていませんが、繁殖期は2月~7月です。

メスは多いと年間3回出産することができ、1度に平均6匹の赤ちゃんを産みます。

1歳までには性成熟に達し、生まれた次の年に初めての繁殖を経験します。

ピグミーウサギ
Photo credit: International Forest Service, USDA Region 4

人間とピグミーウサギ

絶滅リスク・保全

IUCNのレッドリストでは軽度懸念の評価ですが、アメリカ合衆国では絶滅が懸念されていると言っていい状況です。

ピグミーウサギはヤマヨモギに依存した生物であるため、火事や農地への転換、他植物種の侵入、家畜による過食は大きな脅威です。

また、生息地の分断は、移動能力が低い彼らにとっては脅威であり、遺伝的多様性の減弱にもつながりかねません。

こうした状況に対し、保全活動が行われており、一度ピグミーウサギがいなくなったコロンビア盆地では、再導入の活動が行われています。

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動物園

日本でピグミーウサギを見ることはできません。

ピグミーウサギ
Photo credit: USFWS Mountain-Prairie
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