二足歩行
二足歩行
後の二足で歩く方法で、ヒト以外のサルに見られます。
しかし、ヒトのように安定しておらず、体の重心を大きく揺らしながら歩きます。
直立二足歩行
言うまでもなく、ヒトの移動方法です。
エネルギー効率が良く、長距離移動に適しています。
ヒトほど長く移動できるサルは他にいません。
直立二足歩行をするヒトの骨格は、他の霊長類とはかなり違います。
背骨は体の中心を貫き、S字に湾曲しています。
足は拇指対向性を失い、それによりほかのサルのように物をつかむことができません。
また、土踏まずが発達しており、これは衝撃を和らげます。
骨盤はボウル状になっており、背骨と内臓を支えています。
直立二足歩行は様々な特徴を生み出しました。
例えば脳の肥大化です。
脳の重さは、ニホンザルが約90g、チンパンジーが約400gである一方、ヒトは約1,400gにもなります。
この重さに耐えられるのも、この骨格があるおかげです。
他にも、両手が自由になったこと、咽頭部が下降し口腔が広がったことで、言語使用が可能になったこと、難産になったことなどなど、直立二足歩行がヒトの様々な特徴を生み出したことは間違いありません。
四足歩行
樹上四足歩行
樹上の移動の際、多くのサルが四足で移動します。
木の枝の揺れに合わせて、手足を曲げ、長いしっぽでバランスを取りながら樹上を動き回ります。
地上四足歩行
サバンナなどの平地を歩くのに適した移動方法です。
ひじやひざを伸ばした状態で歩きます。
また、地上で時間を過ごすことが多いヒヒなどは、手のひらとかかとを浮かせて歩きます。
また、このようなサルは早く走ることができ、下の動画のパタスモンキーは時速40キロで走ることができます。
ナックルウォーク
チンパンジー、ゴリラ、ボノボに見られる地上での移動方法です。
手を丸めて、第一関節と第二関節の間を地面につけながら歩きます。
この地面につける部分は非常に分厚くなっているので、動物園などで見るときは是非注目してみてください。
ブラキエーション(腕渡り)
テナガザルに見られる移動方法です。
長い腕と体をうまく使って、枝にぶら下がりながら移動します。
手は移動の際、ハンガーのように枝に引っ掛けるように使われます。
そのため、テナガザルの使われない親指はほとんどありません。
また、ブラキエーションには地上移動の1.5倍のエネルギーが使われます。
クモザルやキンシコウなどは、腕に加えてしっぽや足を補助的に使います。
未熟なブラキエーションということで、この移動方法はセミブラキエーションと呼ばれています。
ヴァーティカル・クリンギング・アンド・リーピング
ヴァーティカル・クリンギングとは垂直にしがみつくことリーピングはジャンプを意味します。
南米のマーモセットや、マダガスカルのキツネザルなどに見られる移動方法です。
その名の通り、垂直にしがみついたまま、ジャンプすることで木の間を移動します。
マーモセットのなかまは、自分よりも太い木の幹にしがみつくために、霊長類で唯一かぎ爪を持っています。