チビシマリスの基本情報
英名:Least Chipmunk
学名:Neotamias minimus
分類:齧歯目 リス型亜目 リス科 アメリカシマリス属
生息地:カナダ、アメリカ合衆国
保全状況:LC〈軽度懸念〉

参考文献
最小のシマリス
300種近くいるリスの仲間は、種数が多い順からニホンリスなどの樹上性、プレーリードッグなどの地上性、モモンガなどの滑空性に大別できます。
このうちシマリスと呼ばれる縞模様が特徴的なリスは地上性リスに分類されます。
シマリスは20種以上が知られていますが、英名に”Least”つまり「最も小さい」を意味する言葉があることからもわかるように、このチビシマリスはその中でも最小です。
しっぽを含めてその全長は20㎝程度、体重は50gしかありません。
赤ちゃんに至っては、全長5㎝、体重はたったの2gです。



恒温動物である哺乳類にとって、体が小さければ小さいほど体温の維持が難しくなります。
なぜなら、熱が放散する表面積は体長の2乗に比例しますが、熱を生み出す体積は体長の3乗に比例するからです。
つまり、体が小さいほどその割に広い表面積を持つということで、小さい動物は生命活動の維持のためにエネルギー収支のことを常に考えなければなりません。
例えば体重100g前後しかない最小の肉食動物であるイイズナ(英語でLeast Weasel)は、起きている間のほとんどを主食であるネズミ探しに使います。
また、食べられる以上の餌を狩り、それらを貯蔵することも知られています。

チビシマリスもイイズナのような小さい動物と同じ問題を抱えています。
この問題を解消するため、彼らは例えば日中活動することで体を温めるエネルギーを節約しています。
彼らは主に地上性のリスですが、より太陽に近づくために木にも登ります。
また、彼らは冬眠をすることでも知られています。
ただ、冬眠は例えばジュウサンセンジリスなどのような深い冬眠ではありません。
冬眠にはそれなりの脂肪が必要ですが、小さすぎる彼らには冬を乗り切れるほどの脂肪を付けきれないのでしょう。
トーパーと呼ばれるこの浅い冬眠の合間に彼らは目覚め、餌を食べます。
彼らの属名に含まれる”tamias”がラテン語、ギリシャ語で「(宝や財産などの)管理者」を意味するように、冬眠に入る前までに彼らは餌を巣に蓄え、それを冬眠中に食べるのです。
小さいことにはいろいろなメリットがありますが、一方でデメリットも存在します。
そのデメリットに対し、小さい動物たちがどのように対処しているかは種によって様々で、動物の面白さを教えてくれます。


チビシマリスの生態
生息地
針葉樹林や落葉樹林などの森林に生息しますが、その縁部分のやや開けた環境を好みます。
形態
全長は18.5~22.2㎝で、そのうち8.1~9.5㎝をしっぽが占めます。
体重は42~53gで、メスの方が大きい傾向にあります。
頬袋を持っているため、一時的なエサの貯蔵が可能です。

食性
地上でも樹上でも採餌します。
種子やナッツ、ドングリ、果実などを食べ、他にも菌類や昆虫も食べます。
捕食者にはテンやミンクなどのイタチ類やキツネ、ボブキャット、コヨーテ、猛禽類などが知られています。




行動・社会
昼行性で単独性のチビシマリスは、巣を作ります。
夏は倒木や岩、樹上の洞などに巣を作る一方、冬は地中1mまでに巣穴を掘ります。
巣の中は草や羽毛などで覆われます。
10月下旬から3月中旬ごろまで冬眠をします。
オスの方が冬眠から早く目覚めます。
行動圏は4エーカーまでで、巣の周辺を防衛するなわばり性を見せます。
繁殖
冬眠から明けた4月ごろに繁殖が見られます。
メスは基本年に1回出産します。
妊娠期間は約30日で、一度に平均5~6匹の赤ちゃんが倒木などに作られた巣に生まれます。
赤ちゃんは生後4週で目を開き、生後6週ごろには離乳し、独立していきます。
性成熟には生後10ヵ月ごろ達し、野生での寿命は2~3年です。

人間とチビシマリス
絶滅リスク・保全
広い分布域を持ち、個体数も安定しているとされるチビシマリスの絶滅はあまり心配されていません。
IUCNのレッドリストでは軽度懸念の評価です。
Neotamias minimus | The IUCN Red List of Threatened Species
動物園
チビシマリスを日本で見ることはできません。


